ケブカスズメバチ

Vespa simillima simillima

<試食>

家に帰ってから、フィルムケースに水を満たして30分程置いた。

その後、フィルムケースに入れたスズメバチを見ようと思って、その中の水を捨てた。

驚いたことに、オオスズメバチと思われるハチの尻からハリガネムシが出ていた。

小さなハリガネムシが首に巻きつき、

大きなハリガネムシが尻から出てクネクネと動いていた。


ハリガネムシ
クネクネと動いていた

更に驚いたことに、このハチを良く観察すると、小循板と呼ばれる胸の後部に

四個のオレンジ色の斑点があった。

つまり、オオスズメバチと思っていたのはケブカスズメバチの女王バチだったのだ。

ハチ捕りおじさんに断熱用の外側の巣を奪われ、折りからの寒さをまともに受けて

飛び立つ前に動けなくなってしまったのだ。


女王バチと働きバチ

幼虫

幼虫
おおきな幼虫と小さな幼虫がある

さて、捕ってきた幼虫を育房から取り出すことにした。

数が少ないので、ていねいに摘まめば、何とか取り出すことができた。

大きいのと小さいのがある。

大きいのは、たぶん女王バチになるはずの幼虫だろう。

スズメバチの幼虫は蛹になるまで一度もフンを排泄しないのだ。

蛹になる時に、たまったフンを腸ごと排泄する。

そのため、幼虫の頭を取って、体を押すと、腸を簡単に取る事が出来る。

腸はイカゴロのような色をしている。

腸を取り除いた幼虫を、サラダオイルをひいたフライパンで軽く炒めた後

砂糖醤油を入れて水気が無くなるまで煮詰めた。

食べてみると皮は、いくぶんかたく、噛むとプチュッと音がして

中身が口の中に広がった。

うまい!


食材

何と表現して良いのか解らないが、うまい。

蜂蜜のような匂いがかすかにする。

ただ、残念なのは皮が奥歯にくっついて取れないことだ。

砂糖が多すぎたのだろう。

今回のようなハチとの出会いのチャンスが、またあるだろうか。

もしチャンスがあれば、今回の事を生かして更においしく食べてみたい。


おしまい



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