やまみちを歩いていると、オニヤンマが私の傍を飛んだ。
ボボボ、ボボボ、と羽音を立てながら同じ道を行ったり来たりする。
道の真ん中に突っ立って観察していると、
オニヤンマが私の指に止まった。
六本の脚で、がっしりと私の指をつかんでいる。
ゆっくりと指を水平にして撮影した。
30年前であれば、捕まえて標本にしていたであろうに、
命拾いをしたね。