ケブカスズメバチへの興味がこれで尽きたわけではない。
ケブカスズメバチと思われるこのハチは、本当は何という名のハチなのか?
成虫を一匹捕獲して、調べてみようか。
さて、西日本において、古くからハチの子を食べる習慣がある。
クロスズメバチという、小型のハチを生食したり、加熱調理して食べるそうだ。
クロスズメバチよりもはるかに大きなケブカスズメバチは試食する価値がある。
しかし、超えなければならない問題もある。
第一に、ハチの子を食べる習慣が無い北海道においては、情報が乏しく、
ましてや、ハチの子採りの道具は売っていない。
第二にケブカスズメバチは、クロスズメバチよりも大きく狂暴で、
彼らの持つ毒は、いっそう強い。
私が大人の男とはいえ、無防備な状態で、一人でハチに立ち向かえば、
あっという間に倒されてしまうことだろう。
そこで私は考えた。
秋になると、山道の脇で、ヘビが日向ぼっこをしているのを何度か見た。
彼らは、気温が低いと動きが鈍くなって、人間が近づいても、
ちょっかいを出されても、どうすることも出来ないのだ。
同様にハチも寒くなれば動けなくなるはずだ。
強力な大アゴと人を殺す毒を持ち、
空中を自由自在に移動することのできるハチも所詮、下等動物なのだ。
私は毒を使えないし(食べるため)、空中を移動できないし、虫歯もある。
けれども私は、寒くなっても体温を維持して動きが遅くならない恒温動物だ。
作戦を練る知能を持った高等生物なのだ。
ワッハッハッハ!